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多元的中華世界の形成
東アジアの「古代末期」

佐川英治編

A5判上製・360頁
税込5,830円(本体5,300円+税)
 ISBN978-4-653-04537-3【2023年2月刊】

宗教・社会・文化が大きく揺れ動いた東アジアの3~8世紀を「漢文化の継承と変容の時代」―中国の古典文明を基礎とした多元的な中華世界が東アジアの規模で拓かれていく時代―としてとらえ、広く周辺世界とのかかわりから歴史の展開を再定義する。西洋史における「古代末期」(Late Antiquity)の議論を中国史に想定したとき、今日の中国史、東アジア史、東部ユーラシア史研究に何をもたらすのか。

<目次>
 序 論 東アジアの「古代末期」(佐川英治)

第Ⅰ部 古典の継承と変容

 第1章 魏晋南北朝の「漢代の記憶」とその変化(王安泰(三宅舞佐志訳))
 第2章 嘎仙洞石刻祝文にみる北魏王権の多元性―天子・皇帝・可汗・太平真君の称号をめぐって―(佐川英治)
 第3章 南斉・梁における『周礼』の受容について(戸川貴行)
 第4章 斉梁類書における魏晋知識の典故化(付晨晨)
 第5章 梁代における外国用将軍号の新設について(岡部毅史)
 第6章 梁における戦争と世代交代の影響(アンドリュー・アイゼンバーグ(三宅舞佐志訳))

第Ⅱ部 中華の多元化

 第7章 梁代における建康の繁栄と仏教および寺院空間(小尾孝夫)
 第8章 北朝晚期の寺院と政治文化―“国”寺、行政区と戦場―(魏斌(三浦雄城訳))
 第9章 6世紀新羅における大王号の使用とその意義(小宮秀陵)
 第10章 7世紀倭国における中心と周辺―毛人・蝦夷・粛慎―(河内春人)
 第11章 則天武后の権威の多元性(河上麻由子)
 第12章 グローバル・ヒストリーとしての古代末期―アイルランドから日本まで―(足立広明)

あとがき / 編者・執筆者・翻訳者紹介 / Contents(英文目次)

正誤表(PDF)


●編者・執筆者・翻訳者 (執筆順)   ※所属は2023年刊行時のものです

佐川英治(東京大学大学院人文社会系研究科教授、東京大学アジア研究図書館長)
王安泰(南開大学歴史学院副教授)
戸川貴行(お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系准教授)
付晨晨(桜美林大学非常勤講師)
岡部毅史(大阪公立大学学術情報課職)
アンドリュー・アイゼンバーグ(ノースイースタン・イリノイ大学教授(退官))
小尾孝夫(大東文化大学文学部中国文学科准教授)
魏斌(武漢大学歴史学院中国三至九世紀研究所教授)
小宮秀陵(獨協大学国際教養学部言語文化学科准教授)
河内春人(関東学院大学経済学部准教授)
河上麻由子(大阪大学人文学研究科准教授)
足立広明(奈良大学教授)
三宅舞佐志(東京大学大学院人文社会系研究科博士課程)
三浦雄城(東京大学大学院人文社会系研究科助教)

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